はじめに
十干(じっかん)は、古代中国から伝わる重要な暦法・時間計算の体系です。本記事では、十干の起源から五行との関係、さらに四柱推命における役割まで、具体例を交えながら分かりやすく解説していきます。
十干の起源と歴史的背景
起源
- ・古代中国、伝説の黄帝時代に大挠(だいごう)という人物が創始。
- ・初めは単なる順番を表す記号として使われていた。
- ・「羲和(きわ)が十日を生んだ」という神話とも関連。
「羲和(きわ)が十日を生んだ」という神話とは?
簡単にいうと: 中国のとても古い神話で、「羲和(きわ)」という神様が、10個の太陽を生んだというお話です。
詳しくいうと:
- 羲和(きわ)は、太陽を司る神さまとされています。
- 彼女が10個の太陽を生み、それぞれが毎日交代で空を照らしていた、という伝説があります。
- ところが、10個すべての太陽が一度に空に現れてしまい、大地は焼け、作物も枯れ、人々が苦しむことに…。
- そこで英雄「羿(げい)」が現れて、9個の太陽を射落とし、残った1つの太陽だけが今も昇っている、というお話です。
この話と十干(じっかん)の関係は?
十干は「10」という数が基本になっていますよね。 そのため、「10個の太陽」という神話と結びつけて、
- 天(空)に関わる神聖なサイクル
- 10という特別な区切り を象徴する意味が生まれた、と考えられているのです。
だから、十干は単なる数字の順番以上に、宇宙や自然のリズムを表しているんですね!
歴史的発展
- 初期は順序記号だったが、戦国時代に陰陽五行説と結びつき、哲学的意味を持つように。
- 漢代に体系化され、占いや運命予測の中心ツールに。
- 隋の時代、蕭吉(しょうきつ)の『五行大義』に「干支は五行に因って立てられた」と記される。
十干と五行の関係
十干は、宇宙を構成する五行(木・火・土・金・水)と深く関わっています。
十干の五行配当
- 木の五行
- 甲(きのえ): 木の陽
- 乙(きのと): 木の陰
- 火の五行
- 丙(ひのえ): 火の陽
- 丁(ひのと): 火の陰
- 土の五行
- 戊(つちのえ): 土の陽
- 己(つちのと): 土の陰
- 金の五行
- 庚(かのえ): 金の陽
- 辛(かのと): 金の陰
- 水の五行
- 壬(みずのえ): 水の陽
- 癸(みずのと): 水の陰
陰陽との組み合わせ
- 奇数(甲・丙・戊・庚・壬)は陽。
- 偶数(乙・丁・己・辛・癸)は陰。
陽干 | 積極的・外向的・明るい |
---|---|
陰干 | 消極的・内向的・静か |
四柱推命における十干の意味
天のエネルギー
- 十干は「天の気」を象徴。
- 人間の精神や意識の傾向を表す。
本質的性格
- 日柱の十干(日干)は、その人の「本質的な性格」を表現。
相互関係
- 他の十干と組み合わせることで、人生の傾向や流れが読み解ける。
五行の相生相剋関係
相生(助け合う関係)
- 木→火→土→金→水→木(循環)
相剋(抑え合う関係)
- 木は土を破る
- 土は水をせき止める
- 水は火を消す
- 火は金属を溶かす
- 金は木を切る
十干の象徴イメージ
十干 | イメージ |
甲(きのえ) | 大木、芽吹き |
乙(きのと) | 柳のような柔らかさ |
丙(ひのえ) | 太陽、炎 |
丁(ひのと) | ロウソクの火 |
戊(つちのえ) | 山、大地 |
己(つちのと) | 耕された田畑 |
庚(かのえ) | 鉱石、刀剣 |
辛(かのと) | 宝石、装飾品 |
壬(みずのえ) | 大河、海 |
癸(みずのと) | 雨、水滴 |
まとめ
十干は単なる順番を示す記号から始まり、五行思想と結びつくことで宇宙や人間の性格・運命を表すシステムへと進化しました。四柱推命では、特に日干がその人の本質を表す重要な要素です。
十干と五行の相生相剋の法則を理解することは、自分や他人の性格・運命を深く読み解くカギとなるでしょう。
美しい金属細工のように洗練された感性を磨き、羊の群れのように調和を大切にしながら自分の道を歩む—それが辛未の人の人生における最も輝かしい歩み方といえるでしょう。

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